2018.05.10
仕事上の付き合いとして、取引先の相手をもてなす「接待」。接待で使われる費用は、経費として計上することが認められています。そして、接待ではタクシー代といった「交通費」も発生するものです。
このような接待時の交通費について、勘定科目を「交際費」か「交通費」で迷うという方も多いでしょう。今回は、そんな疑問を持つ方のために、接待時の交通費について解説します。
注)本記事の内容は2018年5月執筆時点の情報です。詳細は専門家等に確認のうえご判断ください。
目次
接待時の交通費は、勘定科目として「交際費」か「交通費」のどちらに当たるのでしょうか。
実は、「どちらの場合もある」というのが正解で、「交際費として計上するのが適当となるケース」と「交通費として計上するのが適当となるケース」があります。
それでは、具体的にそれぞれどのようなケースなのかをご紹介しましょう。
接待時の交通費を、勘定科目「交際費」として計上できるのは、以下のようなケースです。
交際費となるケースは、基本的に「接待をする側」で発生します。接待する側であれば、自社の社員であろうと他社の社員であろうと、接待にかかった交通費は交際費となるわけです。
税務上の交際費は「接待に必要な交通費も含む」ということを覚えておきましょう。接待をする側で発生した交通費がどちらか迷ったら、単純に「接待がなければ支出されなかったかどうか」を考えると判断できるでしょう。
接待時の交通費を、勘定項目「交通費」として計上できるのは、以下のようなケースです。
このように、「接待される側」であれば基本的に交通費となります。また、接待ではない場合にはいくら他社の社員を送迎しようと交通費扱いです。
接待の現場では「渡し切り交際費」というワードを耳にすることもあるでしょう。渡し切り交際費とは、簡単にいうと「支払いの証明を必要としない交際費」のことです。接待で発生した費用のうち、証明となる領収書が不要なものとはどのような費用なのでしょうか。
渡し切り交際費という名前ですが、経費としての「交際費」にはなりません。実は、渡し切り交際費は「給与」扱いになります。なぜなら、渡し切り交際費として多めに渡した現金のうち、いくら交通費として使われたのかもわからず、おつりは渡された個人の懐へ入るためです。
用途も金額もはっきりしないお金は、経費として処理できません。このような理由から、渡し切り交際費は、給与扱いになるのです。
渡し切り交際費が給与扱いになるということは、対象の社員はその分所得税も増えてしまいます。しかし、実際には取引先に渡すお金ですので、給与が増えているわけではありません。そのため、渡し切り交際費を申請した社員は損なのです。
社員が損してしまうのを避けるために、なるべく渡し切り交際費が出ないような運用ルールを検討してみましょう。
一般的な交通費に比べ、タクシー代は大きな金額となりやすい費用です。そのため、税務調査の際にしっかりチェックされると考えてよいでしょう。
特に交際費は、資本金の額によって上限が存在します。もしも、間違った計上をしていた場合には追徴課税となるかもしれません。そうならないためにも、ルールに従って細かく計上しておきましょう。
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