知らないと法律違反!?「印紙」と「領収書」の基礎知識

経理部や法務部の社員でなくても、その代理として取引先との間で領収証の作成や提出、契約書の作成や締結を行うことは日常的にあるでしょう。仕事以外でも、契約書を交わし、領収書を受け取ることがあります。
このようなやり取りのなかで、「収入印紙」を目にすることがあるでしょう。印紙のひとつで、国庫の収入となる租税・手数料その他の収納金の徴収のために、財務省が発行する証票です。それを納める義務のある人、印紙額の決め方、また割り印という消印のルールなどがあります。
知らないと税法違反や取引の相手方から不当な負担を強いられることにもなりかねません。最低限の知識は押さえておきましょう。

領収書に収入印紙が必要な理由

領収書の役割はわかっていても、収入印紙は「見た目と名前ぐらいしか知らない」という人も多いのではないでしょうか。ここでは領収書と収入印紙の役割について整理してみましょう。

収入印紙は税である

税の種類には、商品の販売やサービスの提供に関わる消費税、個人の所得にかかる所得税、そのほかにも住民税や法人税などありますが、印紙もそれらと同じ税金のひとつです。
消費税は商品やサービスの支払いに課せられ、所得税は給与天引きがその徴収方法です。
印紙税は印紙を購入した代金が印紙税として納められます。印紙税の対象は、仕事上の取引で契約書を取り交わすとき、代金などの支払いとその受領の証となる領収書が発行されたときなどです。
その納税義務の理由は、契約書も領収書も一定の経済取引の成立を意味するためです。その取引額に応じた金額を印紙税として徴収し、国の財源にしようという考え方なのです。

領収証と印紙税の関係

一方の領収書の役割は、商取引などで代金を受け取る側にとっては間違いなく代金を受け取ったという証として発行されます。支払った側はこの書類を手元に置くことで、誤って二重請求をされても支払い済みであることの証明になります。
したがって、金銭を支払う側が領収書の発行を受領側に要求でき、領収書が発行されない場合は支払いを拒否することもできます。その領収書を受け取った側は、会社の決算時には経費として計上するため、その証としても大切です。
また、領収書の受領者が領収書の紛失などを理由に再発行を依頼してきたときは、これを拒否できるとされています。
所得隠しといった経費の水増しなどに悪用されないとも限らないので、再発行には慎重に対応しているのです。

このように領収書そのものが金銭の授受と関わりが深いため、税金の対象となります。その徴収方法が印紙代ということです。

契約書や手形も印紙税の対象に

領収証以外で印紙が必要な一般的な例としては、業務の請負契約と手形の発行が挙げられます。
契約書の履行する業務の内容とその対価が記載されますが、経済上の取引が確定したと見なされるため、印紙税の対象となります。
同様に、手形も金額を記載して発行すれば印紙税の対象となります。不動産の譲渡契約でも権利と金銭の移動が発生するため、こちらも印紙税の対象です。ここでは、領収書以外にも印紙税が必要になる書類があることを覚えておきましょう。

領収金額の違いで異なる印紙代

さて、印紙税は経済的な取引で金銭の授受が確定した場合に納税義務が発生しますが、その取引額と印紙税額はどのような関係になるのでしょうか。

印紙代の金額規定の整理

次のように領収金額により必要とされる印紙税額は決まっています。500万円以下までの印紙税を示しますが、10億円を超えるものまで定められており、その金額の印紙税は20万円です。

  • 5万円未満 非課税
  • 5万円以上100万円以下 200円
  • 100万円を超え200万円以下 400円
  • 200万円を超え300万円以下 600円
  • 300万円を超え500万円以下 1,000円

なお、2014年4月から5万円未満の領収書の発行は非課税となり印紙貼付は不要となりました。それまでは3万円未満までが非課税だったので、減税措置のひとつといえるでしょう。

印紙は絶対に必要?

当然の疑問かと思いますが、納税が定められた書類で金額などが該当する条件を満たした場合は必要です。印紙税が課せられることを知らずに放置していた場合でも印紙税額の3倍が「過怠税」として課せられます。
200円なら600円ですが、領収書は事業を営むうえでは毎日相当数が発行されるため、そのすべてに3倍が課せられるとなると膨大な追徴金となってしまいます。
なお、自主的に申し出た場合でも1.1倍が課せられるため、領収書の発行の際は常に印紙のことを忘れないようにしましょう。

印紙代の負担者で迷わないように

では、領収書の場合はどちらが印紙税の負担者となるのでしょうか。答えは領収書を発行する側が負担するのです。それを知らないと領収書の発行を依頼したときに印紙代を要求されることにもなりかねません。

業務請負契約書などの場合

業務請負契約書などで「2通作成し、双方が1通ずつ契約書を保管する場合」は、契約金額に応じた印紙税がそれぞれの契約書に求められます。
商慣習上、それぞれの会社で自社保管分の契約書に貼ることが多いです。自社保管分の契約書だからと印紙代を惜しんだ契約書を溜めてしまうと、発覚した際は大きな金額になることもあるため、注意が必要です。

印紙に割印が必要な理由とそのルール

印紙は必要とする領収書や契約書に貼りつけますが、その方法とルールについて整理しておきましょう。

割印ってなに?

古い契約書の収入印紙を剥がして新しい契約書に貼りなおすことができたらどうでしょう。これは明らかに犯罪ですが、印紙税法ではこれを防ぐために領収書等に貼付した印紙には一定のルールに従った消印をするようにしています。郵便局で切手にスタンプが押されるのと同じです。

方法としては、印章(印鑑)や署名(サイン)ですが、一般的に氏名や会社名がわかる印鑑が使われます。
押印者は契約の当事者ではなく代理人でも可能で、領収書の発行者が会社の代表取締役でも経理部や総務部の担当者が代わりに印紙を貼って、代表印などで押印することになります。

割印の基本ルール

「再利用されなければいい」と印紙に斜線だけをしたものは消印としての効力を発揮しません。印紙と領収書の用紙等にまたがるように「誰(個人や企業名)」がわかる印鑑等を押します。これが割り印というものです。悪意がなくても印紙が剥がれてしまった場合、割り印になっていれば貼ってあった書類がわかりやすく、また書面に割り印が残ることで、少なくとも印紙を貼った形跡を残せます。
なお、割り印の目的からすれば契約書では当事者のどちらか一方が割り印をすれば目的は果たせますが、商慣習上、契約者双方でそれぞれ割り印を押すことになっているのです。

トラブル回避のためにも税金であることを意識

このような印紙は立派な税法上の税金です。忘れていて「過怠税」を課せられることも、知らずに相手に要求されて支払ってしまうことも困りますが、印紙を貼らずに先方に渡してしまい、あなたやあなたの会社の信頼を落とすことも問題です。
自分には関係ないと考えず、営業やサービスのスタッフも最低限の知識は押さえておくべきです。

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