業績の限界?ビジネスをリエンジニアリングするBPRで突破!

「どの部署も一生懸命に取り組んでいるのにどうも業績が思わしくない」というときには基本にもどり、業務を俯瞰してみることが大切です。
長い習慣で意義や効果を考えずに続けてきた業務など、これまでの当たり前が、実は会社の成長を阻むひとつの要因なのかもしれません。BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング:業務改革)は単なる業務の改善ではなく、ビジネスを抜本的に見直し、改革・再設計をする考え方です。

業務改善とBPRの違い

どこの会社も業務改善は日々行っているでしょう。では、BPRとは根本的に何が違うのでしょうか。

業務改善は個人ごと、業務ごと、部署ごと

製造部門が業務改善を実施した場合、業務上の無駄が発見・解消されたことで、結果として製品の開発や製造の速度が速くなり、出荷までの期間が短縮されることがあります。営業部門の場合、例えば営業情報を共有するといった改善によって成約率が高まり、営業社員の一人当たりの販売額が増えることがあります。しかしこれらは、部署や個人の生産性や業績が高まったことは確かですが、必ずしも会社全体がその分強みを増したとは言いきれないのです。
製品の開発や製造の速度が上がっても、出荷から販売までの工程に問題があれば開発期間短縮の効果は減衰されてしまうことがあるでしょう。

BPRは会社全体、ビジネス全体

つまり、ビジネス全体のプロセス、組織体制、業務フローなどの大きな視点で改善を行わなければ、個人や部署単位の業務改善の効果を最大化できないのです。社員一人ひとりは頑張っているのに業績が上がらない場合では、そのような原因が潜んでいるとみるべきです。
そこで必要とされるのがBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング:業務改革)です。BPRは、個人や部署の改善効果を最大化し、ビジネス全体の速度向上やコスト削減効果、営業力の増強などを目指す改革です。例えば、製造業ならば研究開発から流通チャネル、顧客管理やそこで得た情報を研究にフィードバックするというような一貫したプロセスの再構築に当たります。そして、製品の品質は業界ナンバーワンにもかかわらず販売力は業界最下位、といったいびつな構造をなくすようにしていきます。

BPRの目的と効果

会社全体でBPRを行うことによって得られるメリットを、もう少し具体的に考えてみましょう。

最終目標は「顧客(市場)」への正しい対応

BPRに成功すると、ビジネスの効率化や活動の最大化が図れます。結果として利益が増え、社員に時間的な余裕が生まれます。重要なことは、この得られた利益や時間をどう活用するか。答えは明確で、顧客の価値増進のために費やすべきです。それは、より利便や満足度を向上させる製品やサービスの開発が該当します。その結果、ロイヤリティが高まり、顧客を維持することで、ビジネスが安定するのです。また、社内的には、掛け声だけの時短ではない、業務改革による時間的な余裕となるため、働き方改革にも効果があります。

不合理や無駄を抜本的に取り去り、コスト削減と業務のスピードの向上

比較的わかりやすく、その効果が出やすいBPRのテーマについて見てみましょう。
最初に着手したいテーマは、「徹底した無駄の排除」です。利用目的の定まらない、あるいは利用価値の低い報告書や報告のための会議、再活用や分析予定のないデータの蓄積。一元管理されず各部署で収集・蓄積されている情報、部署と部署にまたがる業務などで二重作業をしているものなど、一度社内を見渡してみれば山積されていることがわかるはずです。この作業を各部署でそれぞれ行っても、改善度に差が生じたり、部署と部署とをつなぐ業務などは死角になったりするわけです。あくまでもBPRとして全社で見つめなおさなければなりません。

そして、次に優先すべきテーマは、「ボトルネックの発見と改革」です。部品の調達、作業員の労働時間の管理を徹底して製品の原価を下げても、倉庫の在庫、流通在庫の把握ができず、新製品への切り替えのタイミングで廃棄製品を大量に発生させてしまっては、製造工程でのコスト圧縮効果が十分に発揮されません。スキル・知識の不ぞろいや、情報の共有不足による社員の能力や負担の偏りなどはありませんか? 営業が販売した製品をサービスの対応のミスでクレームに発展させてしまう例なども、CS向上という目標にとってはボトルネックと捉えられます。このボトルネックを解消することで、会社全体のビジネスの速度や利益、CSの向上が大きく改善されるのです。

BPRを推進する手順、活用リソースと注意点

BPRの考え方はこのように明瞭です。では、実際に実施する場合の最低限のリソースや手順はどうでしょう。

無駄の削除から、PDCAサイクルとともに次のステップへ

BPRの着手手順も、やはり無駄の排除からはじめるのが適切です。コスト削減効果が明瞭で、最初から無駄なものなので削減しても業務への思わぬ影響が少ないためです。

BPRは全社改革ですが、最終的な目標は全社を対象にしても、必要性の高い業務や部署から始めるなど、フェーズごとのPDCA(立案、実施、検証、改善)サイクルで繰り返していくのが安全です。対象が小規模で短期に大きな結果が出やすいものを優先すれば、「最小の労力」が「最大の効果」を生むことになります。ボトルネック業務の改善がそれに該当します。

全社参加、外部コンサルの適度な活用

BPRは全社業務であるため、経営層も含めたすべての社員の意思の統一が求められます。しかし、企業の歴史が長かったり、経営層や各部署のトッププレイヤーの意見が強い体質だったりすると、改革の足並みがそろわないこともありえます。ビジネスマンは誰でも過去の成功体験を大切にし、自分流を維持しようとするものです。「改革=過去の否定」ととられることもあり、思わぬ抵抗勢力にぶつかることもまれではありません。
そのような場合に、ぜひ活用したいのが外部のコンサルタントの力です。過去の事例や知識が豊富なだけでなく、同じことを社員が進言するよりコンサルタントという第三者から行ったほうがスムーズに運ぶことが多いでしょう。専門知識の提供だけではなく、まとめ役・調整役となってもらえます。

ICTの活用

AI(人工知能)が話題ですが、AI能力を持ったソフトウェアのロボット(RPA)による業務の自動化など、製造業のオートメーション化と同じようなことが、オフィス業務でも可能となりました。それは最先端の例にしても、コンピューターや通信機器など最新のICTが業務改善のツールとして大きな意味を持つようになっています。ICTは業務の効率化や高速化だけではなく、業務を平準化しスキルレスにでき、その過程で生まれるデータを分析することで、さらに業務改善に役立てられるなど付加価値も大きいのです。
これまで部署間で書類を回して行っていた稟議を電子化するだけで、速度のみならず進捗の把握や書面の紛失防止などにも役立ちます。BPRをするうえで、ICTの活用がひとつの鍵となるでしょう。

進化とは改革であり、改善だけでは成し遂げられない

働き方改革にあるワークライフバランスを実現するには、その原資として事業利益の確保や、人材の余裕が求められます。そのためにはBPRによりプロセスの改革を図るのもひとつの手段です。変化するビジネス環境のなかで実力を発揮するには、企業も時代に合わせ変化していかなければなりません。
つまり、進化であり個々の改善だけではなく、その力を集約したBPR(業務・組織・戦略等の抜本的な見直しと再構築)を実施しなければならないのです。

おすすめの業務効率化ツール

社内業務の効率化には、「経費精算システム」や「ワークフローシステム」がおすすめです。特にスマートフォン対応のシステムは外出先からの作業が可能になるので、人気が高まっています。