文書データを全社共有する際に決めておくべき運用ルールとは?

企業において、文書の電子化・ペーパーレス化は業務を効率的に進めるために有効な手段です。ただ何も考えず電子化を行うと、ファイル名の付け方や保管場所、廃棄時期などがバラバラになり、問題になりかねません。
今回は、電子化した文書データを全社共有する場合に「決めておくべき原則」や「運用ルール」について、文書データのライフサイクルにそって解説します。

運用ルールを策定しないまま文書の電子化を行うのは危険

はじめに、運用ルールを設定しなかった場合のリスクを解説しましょう。想定される問題には次のようなものがあります。

何のファイルがどこにあるのか分からなくなる

ファイルの一覧ではファイルの中身を見ることができません。したがって、何のファイルかはファイル名を見て判断することになります。しかし、ファイル名の付け方がバラバラだった場合、いつ誰がつくったのか、何のファイルなのかなどが分からなくなる可能性があるでしょう。
また、ファイルの保存場所も決めていなければ、目的のファイルがどこにあるか分からなくなります。さらに、必要に応じて更新していく形式のファイルの場合、最新のものなのかどうかも判断できないでしょう。

ファイルが勝手に移動・削除される

誰でもファイル移動したり、削除したりすることができれば、必要なファイルが勝手に移動・削除される可能性もあります。重要なファイルほど、ファイルの移動や削除には権限を付与する必要があります。

情報漏えいのリスク

データの持ち出しについてのルールも明確に設定しておかなければなりません。例えば、営業で社内のデータを使用したい社員がいた場合、USBメモリにデータをコピーして持ち出すといったケースが想定されます。もしも、それを外出先で紛失してしまえば、企業の機密情報が外部に漏れてしまうかもしれません。

文書データのライフサイクル

文書データを適切に管理するために知っておきたいこととして、「ライフサイクル」があります。文書データのライフサイクルとは、文書データがつくられてから削除されるまでの流れやプロセスをまとめたものです。それでは、文書データのライフサイクルについてご紹介しましょう。

発生(作成、入手など)

はじめのプロセスは「発生」です。新しくファイルを作成するほか、メールで受け取ったり、ダウンロードしたりして入手する場合も発生となります。

処理(決裁、回覧、手続きなど)

次は、ファイルを実際に活用するプロセスです。ファイルによって活用方法は異なりますが、決裁や回覧など何らかの処理が行われる段階です。

保管(整理、登録、検索など)

目的が果たされたファイルは、一旦フォルダ内に保管されます。ここでいう「保管」とは、「必要に応じていつでも取り出しが可能な状態」であることがポイントです。

保存(活用度が低い文書の記録保存)

ここでいう「保存」とは、「すぐに取り出せない状態」を意味します。机の引き出しにしまうのが「保管」だとすれば、倉庫へしまうのが「保存」というようなイメージです。
ビジネス文書には法的に数年間の保存義務があるものも多いため、活用されなくなった文書についても一定期間保存しておく必要があります。

廃棄(廃棄、削除など)

保存する必要がなくなった文書は、最後に廃棄されます。データの場合はファイルを削除するプロセスです。

プロセスごとの運用ルール

次に、各プロセスにおいてどのような運用ルールを設定するといいのかを解説します。プロセスごとに重要になるポイントは異なりますが、ルール自体はすべて事前に決めておきましょう。

「発生」では「ファイル名の付け方」

発生のプロセスでは、似たようなファイルが多いほどファイル名の付け方が重要になります。文書のタイトルだけでなく、日付や連番、部署名や担当者名などを組み合わせてください。ここをしっかり決めておかなければ後々困ることになります。

「処理」では「アクセス権限」や「バージョン管理」

処理のプロセスでは、ファイルが勝手に書き換えられないようにアクセス権限を決めておくと良いでしょう。また、更新した場合は最新のものだと分かるようにバージョン管理のルールも設定しておく必要があります。

「保管」では「フォルダ名」や「保管場所」

保管のプロセスでは、必要なときにすぐ取り出せなければなりません。そのためには「フォルダ名の付け方」や「保管場所」についてのルールを決めておきます。ツリー状に広がるフォルダもファイルと同じように、どこにあるのか分からなくなる事態は避けたいところです。

「保存」では「保存場所」や「保存期間」

保管と同じく、保存のプロセスでは保存場所を明確にしておきましょう。また、時期が来たら廃棄できるよう保存期間についても決めておきます。

「廃棄」では「廃棄基準」や「担当者」

ファイルの廃棄は、管理するうえで大切なプロセスです。一度完全に削除されたファイルは、基本的に元に戻せません。廃棄する基準を明確にし、担当者が責任を持って廃棄を管理する必要があるといえます。

運用ルールを周知徹底しよう

運用ルールを取り決めた後は、そのルールがしっかりと守られるようにしなければなりません。そのためには、ルールをマニュアル化して、全社員に周知徹底する必要があるでしょう。文書データを上手に運用することは、業務効率化を図るうえでも重要な過程となります。

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