マネジメント側が実行すべき社員の業務スピードアップ方法

人手不足や競争が激しいビジネス環境で、忙しいのは仕方がないことだと思い込んではいませんか? 経営層や管理職によっては、社員や部下が忙しくしていないと不安になる人もいるかもしれません。しかし、「忙しい」と「仕事がはかどっている」では、まったく次元が異なります。
働き方改革とは、定時までに社員の仕事を終わらせて帰宅させることではなく、社員が同じ時間内に高い成果を挙げ、総労働時間を減らすことです。マネジメント側がすべき業務スピードの向上策について考えましょう。

仕事は増えていくもの

まず、「何をやるか」ではなく「何をやらないか」という視点の大切さから見ていきましょう。

仕事は基本的に増える

平成28年1月から、公的機関の申請や事務手続きを効率化するためにスタートしたのが、マイナンバー制度です。その結果、消費者と直接関わらないような会社でも、社員の個人情報の管理が強化されました。つまり、それだけ仕事の負担が増えたことを意味します。

また、ライバルのみならず異業種からも、自社のビジネス領域に新しい商材で参入してくるようになりました。対抗策として製品開発を速めたり、サービスの質を向上させたりするなど、これも仕事を増やす要因です。
ビジネスや経営の環境は常に変化しています。昨日の成功事例が今日も通用するとは限りません。それは業務の効率化や時短策についても当てはまります。常に業務は改善・改革を必要とするのです。

無駄な業務を減らすことが第一歩

コンプライアンスを順守すること、ビジネス戦略を強化すること、稟議(りんぎ)を厳格にして無駄な出費を減らすことなどは、会社にとってどれも重要なことです。しかしだからといって、そのあまりに会議が増えたり、提出書類が複雑になってしまったりしては、作業や管理などの内部コストを上昇させる一方となってしまいます。
重要なのは、ビジネスを強化しつつ業務の効率化を図ること。業績が好調であっても、改革による業務のスピードアップは常に必要なのです。
その第一歩が、無駄な業務を減らすことです。無駄な会議を減らしたり、書類の種類や作成枚数を削減したり、フォーマットを簡素化するなどがわかりやすい例でしょう。
いざ着手するとなると、何がどこまで無駄か、どう処置すべきかの判断は難しいもの。例えば、会議数の削減と業績の低迷が重なっている場合は、「コミュニケーション(会議)の減少が業績の悪化に繋がった」などという批判が起きかねません。それを恐れるあまり、プロジェクトチームが発足しても改革がいっこうに進まないといった問題が起きる可能性も考えられます。経営層が自ら取り組まないと、業務の改革やビジネスのスピードアップはできないのです。

業務環境を整備するICTを考える

ペーパーレスに代表されるようなICT化は、業務スピードアップの鍵になります。組織替えやオフィスの改築に比べれば、はるかにコストが低く、すぐにでも実行できるのがメリットだからです。

比較的すぐに取り組める、ICTによる業務スピードの向上

現在、ビジネスのスピードアップで注目されているのがコミュニケーション改革です。そのツールが「ビジネスチャット」です。
電子メールに比べ、情報交換の頻度が高くなり、画像のような大きなファイルも転送できます。参加者はチャット内での情報を共有できるため、チームの活動力が格段に高まります。同様に、文書を電子メールで交換するのではなく、クラウド上のストレージに共有フォルダを作り、交換したり共同編集したりするほうが、プロジェクト推進上は都合がいいでしょう。

また、キーマンの出張スケジュールに合わせて会議や稟議のタイミングを考えなければならないようでは、意思決定の速度が低下してしまいます。重要な人物ほど外出が多いともいえ、業績の拡大とともに問題は大きくなる危険があります。テレワークやモバイルワークの導入のためにも、場所にとらわれず、シームレスな業務環境を得るためのモバイルツールの活用を考えるべきでしょう。

ペーパーレスも重要な改革目標のひとつです。紙の文書の「保管コスト」、そのなかから探す「検索の手間(社員の時間コスト)」、そして「紛失」や「改ざん」のリスクも忘れてはなりません。紙での情報交換や共有は速度が遅く、組織全体の動きを鈍らせる要因になります。

着手しないでも、何の問題もないという事実

これまで業務スピードを上げるためのICTを紹介しました。これらの改革を実行しなくても、今すぐに大きな問題へと発展するわけではありません。
しかし、それが故に後回しにされがちになり、気付いたときには他社の遅れをとる結果となる恐れがあるのです。

意思決定の速度アップが最重要

どの会社にも課題としてある、申請・稟議の電子化によるスピードアップについて考えてみましょう。

申請業務の課題

申請・稟議を厳格にすることで、無駄な出費が抑えられるでしょう。しかし、申請書類が増えたり、決裁者に負担がかかったりといったデメリットも生じます。
そもそも紙の書類による申請・稟議は次のような課題や問題を含んでいます。

  • 作成し印字してファイリングする手間、手書きの場合は執筆する時間
  • 事務スタッフが忙しい時期や時間帯の回覧の遅れ
  • 決裁者不在による審議書類の滞留
  • 他の書類に紛れての紛失や毀損(きそん)
  • 記入ミスや否決で戻されるまでの時間的ロス

これらは意思の決定とアクションといった企業の動きに大きく影響します。

申請そのものを電子上で行うワークフローの効果

申請・稟議の手続き、工程、決裁の通知をすべて電子化してしまう方法があります。それが、ワークフローというソフトウェアです。近年は導入負担が少ないクラウドサービスでも利用できるようになりました。

電子化することで、上述の課題と問題の多くが改善されるでしょう。審議の途中経過もわかるため、否決への対処が容易になり、誰の審議が遅れているのかも一目瞭然です。モバイル機器でも利用でき、忙しいキーマンの決裁をオフィス外から仰ぐこともできます。
支店間や系列企業の間に広げられるため、物理的な距離を気にする必要がありません。他の書類に紛れて運搬途中に紛失してしまうようなリスクもなくなるでしょう。

経営層の意識改革とIT利用が会社全体のビジネスを速める

業務の体制構築は、ICTも含めもう十分と考えていませんか? 仕事は増えるという前提にある限り、常に業務は見直し、必要な個所から手を打っていくことがビジネスを速めるポイントです。
上層部の意思決定スピードの向上から、社員の業務の効率化、迅速化など、テーマはさまざまです。新しいIT手法をうまく取り入れることで、投資を最小、効果を大きく、業務改革を継続していくことがポイントとなります。社員に任せきりではなく、経営層が進んで取り組むほうが、改革のスピードは着実なものになるのです。

おすすめの業務効率化ツール

社内業務の効率化には、「経費精算システム」や「ワークフローシステム」がおすすめです。特にスマートフォン対応のシステムは外出先からの作業が可能になるので、人気が高まっています。