乗り遅れるとチャンスを逃す?正しく電子決裁ツールを選ぶには

「企業の意思決定は早くなければならない」ということは、すでに常識として浸透しています。意思の決定を早めなければならない身近な例として、社内の稟議や申請が挙げられます。これらのプロセスに時間をかけることが、ビジネスの遅れに繋がっているからです。
今回は、その解決に繋がる電子決裁ツールの選び方について考えてみましょう。

稟議・申請書類を電子化する必要性

はじめに、どの会社でも毎日のように行われている申請や稟議の現状と今後について考えてみましょう。
企業間の競争激化や市場の細分化による大量販売機会の減少の時代、コスト圧縮の重要度は増し、経費の出費に関わる稟議・申請には、より厳しい審議が求められるようになってきました。それにより、

  • 稟議の決裁者の増加(複数の目でチェックする)
  • 稟議・申請書類の項目や添付情報といった要求水準の上昇(申請時に提出する書類の増加)
  • 稟議・申請書類の差し戻しや見直しなどの増加(稟議・申請のやり直し)

など、稟議・申請の方向性が見直されつつあります。
その結果、費用対効果に見合わない購入や重複した調達等が減少することで経費が下がります。また、コスト意識を社員に徹底させる効果もあるでしょう。
しかし、次のような稟議・申請に関するコストやデメリットの拡大も知っておく必要があります。

  • 書類作成時間の増加
  • 差し戻し等による時間的損失
  • 書類の印字費用や、添付資料のためのコピー費の増加
  • 決裁者が増えることによる書類の滞留頻度の上昇
  • 稟議過程での書類の紛失

「書類作成時間の増加」と「差し戻し等による時間的損失」は、社員の生産的な時間を奪う見えないコストです。
「書類の滞留頻度の上昇」は意思決定の遅れにつながり、「書類の紛失」は情報漏えいの危険を生じさせます。
添付資料が増えれば、扱い注意の情報も増え、紛失によるリスクも高まることになります。
こうしたデメリットを回避するために注目されているのが稟議の電子化です。簡単にいうと、これまでの稟議・申請をコンピューター上のデータで行うということです。
そのメリットは次のようになります。

稟議申請書類の電子化で得られること

申請書類の印刷コスト削減

電子書類・電子情報が中心となり、印字・用紙コストを極力抑えられます。

必要箇所の自動入力

申請者の氏名、社員番号、日付などが利用するコンピューター等から特定できるため些細なミスなどによる差し戻しが減ります。定型的な業務ならば稟議・申請内容の項目等も自動入力でき、作成時間の短縮を図れます。

進捗管理

申請者も決裁者も稟議・申請がいつ出され、どこまで決裁が進んだかを把握できます。他の書類に埋もれて決裁書類に気付かなかったり、差し戻しされてミスに気付いたりするといったロスを削減できます。

記録性・訴求性

コンピューター上に作成、申請、決裁までが記録されるため、訴求性(いつ、誰が)や検索性(類似申請のチェック)に優れています。

情報共有

申請者や決裁者はもちろん、稟議・申請の動きを見ることで事業の活動が俯瞰・分析できます。

内部統制対応

電子上で管理されるため、審査せずに決裁してしまうような不正決裁をなくすことができます。

これらの結果、申請者も決裁者も作成や決裁の時間やミスによるロスを縮小することができます。このようにメリットが多い稟議・申請の電子化ですが、それを担うシステムがワークフローシステムと呼ばれるものです。

電子決裁ツール(ワークフローシステム)の種類と機能

次に、電子決裁ツールの機能や特徴について見てみましょう。

電子決裁ツールの機能について

電子決裁ツールはワークフローシステムとも呼ばれ、前述したもの以外にも次のような機能があります。

  • 承認・申請ルート構築:紙による申請では決裁ルートの変更は大掛かりだった。電子上での変更であれば、確実で早い目的に合った稟議・申請ルートを作成・変更できる。
  • 自動採番機能や自動督促機能:機械的に必要な作業を自動化。
  • 帳票化・データベース化:帳票化して稟議・申請結果を関連部署に周知したり、データベース化したりして閲覧を可能とし、情報共有が図れる。
  • グローバル対応:子会社など本社機構が離れている企業間でも電子上の決裁で、書類の移動時間のロスや紛失リスクを低減できる。
    • 他システムとの連携:稟議申請と売上管理や経費管理、人事データとの連動など基幹業務との連携が図れる。

電子決裁ツールはデバイスも多様に

ワークフローシステムで稟議・申請を電子化することのメリットのひとつに、スマートフォンやタブレットによる電子決裁があります。重要な決裁者ほど外出や出張が多いものです。電子化することで、その都度、書類の作成と承認を得るのに奔走したり、出張中のため決裁が遅れたりする無駄がなくなります。

電子決裁ツールの可能性と拡張性

実は、電子決裁ツール(ワークフローシステム)は、稟議・申請という重要な決裁や承認のためだけのシステムではありません。日報や報告書などにも使え、情報共有すべき人へ確実に回覧し、周知させる役割でも効果を発揮します。また、稟議・申請の決裁結果を反映させた財務情報の更新、重要文書として管理する文書管理システムなどとの連携などにより、決裁のみならず、企業の情報革命にも一役買うツールなのです。

電子決裁ツールの選び方と業務フローの見直し

決裁という会社の重要な意思決定に関わるシステムなだけに、導入となると簡単にはいかないように思えますが、果たしてどうなのでしょう。

電子決裁ツールの導入は大変?

全社で一斉の導入となると、これまでの稟議・申請ルートの見直しから進めることになり、大きな組織ほど労力が求められるかもしれません。
そこで考えたいのは、導入部署や特定の業務などに当初は絞って導入するという方法です。先に社内の一部で経験を積み、自社に合った電子決裁ツールのあり方が明らかになったところで導入部署を拡大していくというステップアップ方式です。
近年は、クラウドタイプの電子決裁ツールの普及で、「必要なものから導入」というスモールスタートができるようになりました。オンプレミスでの導入、クラウドによる利用、その混在型など、自社の目的と導入フェーズにあった運用が可能になりました。

自社の業務にどこまで活用する?同時に業務の見直しも

例えば、海外にも拠点や協力会社があって稟議・申請を本社と同軸で進めなければならないなど、会社により稟議・申請の形態はさまざまです。
まずは「現在の利用によるメリット」、そして「将来の拡張性」といった順で、電子決裁ツールを見極めていくとよいでしょう。さらに、豊富な機能も使いづらいようでは意味がありません。「使いやすさ」も重視したいポイントといえます。
また、ITシステムだからといって万能ではありません。導入するツールの機能や特徴を活かせるように、現在の業務や稟議・申請のあり方を見直すことが大切です。
場合によっては、システムを業務に合わせるのではなく、業務をシステムに合わせる努力も必要です。

まず自社業務の分析の後にシステムの検討を

電子決裁ツールを導入する前に、これまでの自社の稟議・申請の方法、その修正すべき課題などの業務分析を行うことが重要です。
電子決裁ツールには便利な機能がたくさんありますが、導入さえすれば魔法のように業務が効率化するわけではありません。自分たちで稟議・申請の時間短縮、確実化、情報保護、内部統制を進められるように統率しようという、目的意識がもっとも大切なことなのではないでしょうか。

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