これだけおさえればひとまず安心! 経理業務の「仕訳」って何?

人事異動の都合で初めて経理部門に配属されると、簿記をはじめとする専門用語に戸惑うことも多いのではないでしょうか。
なかでも、簿記に欠かせない「仕訳」は、内容をしっかりと理解しておかなければ経理業務がおぼつかないほど重要な概念です。企業経理のスタートは「仕訳」にアリと言っても過言ではありません。また、「仕訳」には無限にパターンが存在するため、丸暗記して対応するのは不可能です。
実作業をしながら、何故この場合にはこの処理を行うのか、ひとつひとつを理解しながら進めないと誤った処理を生んでしまいます。「仕訳」をまったく知らない方はもちろん、言葉を耳にしたことはあるけれどいまひとつピンとこない方も、経理業務を円滑に遂行するうえで最低限おさえておくべき「仕訳」知識についてみていきましょう。

仕訳とは取引の最小単位

そもそも簿記における「仕訳」とは一体何でしょうか。
それは、企業が所有する財産を勘定科目という経理用語で表現し直し、それら勘定科目を「借方」「貸方」の左右に分けることをいいます。
左右どちらに振り分けるかで、その勘定科目が増減したのか明確に分かります。
仕訳が表現するのは、簿記上の取引です。簿記上の取引とは、財産の増減を伴う会計主体同士のやり取りを指します。
例えば、A社がB社から建設資材を購入したと仮定します。このとき、A社は購入した建設資材という財産を得て、B社へ購入代金(現金)を支払います。B社は建設資材という財産を失う代わりにA社から代価の現金を得ます。このA社とB社のやり取りは簿記上の取引に該当するため、両社の経理担当者はそれぞれの立場で帳簿に今回の取引を記録します。もちろん、記録に際しては簿記のルールに従って、「建設資材」「支払代金」を勘定科目に換言して仕訳をします。
企業会計の最終目的は期末の決算発表です。当該年度の業績を数値化して株主などのステークホルダーへ対外的に説明します。通常決算資料は膨大な数になりますが、その資料を構成するのが簿記上の取引なのです。前述の通り簿記上の取引の一つひとつを仕訳を通じて記録するため、「仕訳=取引の最小単位」といえるでしょう。

仕訳の具体例 〜物の売買〜

では、ここからは実際に仕訳の具体例について検討していきましょう。仕訳の好例は「物の売買行為」です。
物の売買はイメージがつきやすいため、簿記の導入教材などでも具体例として扱われることが多いです。今回は、2つの例を挙げてみていきます。

ひとつ目は、「現金で売上(時計)が50,000円あった」という取引です。この取引で登場するのは、「現金」と「売上」の2つですが、両方とも名前の同じ勘定科目が存在するため、「現金」「売上」という勘定科目を取引内容に従って左右に振り分けることになります。
左は「借方」、右は「貸方」という名称がついており、この取引は、「(借方)現金50,000円 (貸方)売上50,000円」と仕訳できます。商品の時計を販売したことで現金収入という資産が増え(借方)、資産増加の原因がもう一方の貸方に記載される格好です。
ふたつ目は、「消耗品2,000円を購入し、代金は現金で支払った」という取引です。登場するのは「消耗品」と「現金」で、同じ名前の勘定科目があります。ひとつ目の例に同じく左右に振り分けてみると、「(借方)消耗品2,000円 (貸方)現金2,000円」と仕訳されます。消耗品という資産が増加し、代わりに同じ資産の現金が減少したという取引を表しています。2つの例に共通するポイントは、必ず左右は同じ金額が計上されるということです。その理由は次項で述べる「貸借対照表」と密接な関連があります。まずは具体例を通じた実際の仕訳についてイメージを持つことが第一歩です。

貸借対照表をイメージすると応用が利く!

経理初心者が実際に仕訳を試みると、各勘定科目を借方・貸方のどちらに振り分ければよいか分からなくなりがちです。仕訳は無限にパターンがあるため、丸暗記では到底追いつきません。仕訳の理解を深めるためには、決算資料のひとつである「貸借対照表」について学ぶ必要があります。
貸借対照表とは、企業が所有する金・不動産、借入金や資本金などの状況(財政状態)を表す資料のことです。左右に分かれており、それぞれ借方・貸方を表現しています。つまり、仕訳とは企業について起こるさまざまな取引を、貸借対照表を作成して表現することと言えるでしょう。
また、貸借対照表は別名「バランスシート」とも呼ばれ、借方・貸方に同額が計上されて釣り合っていることに由来します。
貸借対照表上、借方(左)には「資産」を計上し、貸方(右)には「負債」「純資産」を計上することになっています。前述の仕訳例でも、資産として増加した勘定科目は借方に振り分けていたと思います。まずは、貸借対照表をイメージし、「資産」「負債」「純資産」の3カテゴリーの増減時にどちらに振り分けるか頭に入れておけば応用が利くのです。

仕訳の簿記の基礎であり、企業会計すべての要

企業の経済活動を記録する行為を簿記といい、その簿記の最小単位が「仕訳」です。日々の企業取引をこまめに仕訳し記録することを積み上げた結果が決算資料であるため、理解不足のいい加減な仕訳は経理担当者として許されないことです。仕訳は経理業務において毎日のように発生するため、仕訳をきちんと理解し実践することで慣れていくことが大切です。

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