今さら聞けない「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の違い、おさえておくべきポイントは?

今さら聞けない「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の違い、おさえておくべきポイントは?

文書の電子化に関連する法律といえば「電子帳簿保存法」と「e-文書法」がよく知られていますが、それぞれの違いについて正しく理解できているでしょうか。文書の電子保存が注目を集めている今だからこそ、「今さら聞けない」とはいわずにしっかりと理解しておきたいものです。

この記事では2つの法律の違いや対象となる文書、電子保存導入のメリットなど、「これさえ読めばすぐに違いがわかる!」を目指して、おさえておくべきポイントをまとめました。

電子帳簿保存法とe-文書法、具体的には何が違う?

電子帳簿保存法とe-文書法は、いずれも法定保存文書(法令により一定期間の保存が義務付けられている文書)の電子保存に関する法律です。どちらも同じような法律ではありますが、それぞれ所轄する省庁が異なっており、まずはそれを把握することが法律の内容を理解することにつながります。

電子帳簿保存法は財務省・国税庁が所管し、正式な名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。その言葉や所轄する省庁が意味するとおり、会計帳簿や決算関係書類、契約書、見積書、納品書など国税関係書類を、紙ではなく電子データで保存することを認める法律です。1998年7月に制定され、これまでIT技術の進歩など時流に合わせて何度もの法改正が行われました。

一方で、e-文書法は電子文書法とも呼ばれていますが、正確には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つから成り立っています。会社法、商法、法人税法、証券取引法などの法律により、一定期間の保管が義務付けられている文書や帳簿について、電子データ(電磁的記録)での保存を認める法律として2005年4月に施行されました。

これだけ見れば2つの法律は非常に似通っていますが、所轄する省庁を見ればわかるとおり、電子帳簿保存法は国税関連の帳簿や書類の保存に関して定められた法律です。これに対して、e-文書法は国税関係帳簿書類だけでなく、定款や株主総会会議事録のほか、建築図面や診察記録などほかの法律で保存が義務付けられた文書も対象となっている点が大きく異なります。2つの法律はいずれも法定保存文書に関する法律ですが、e-文書法のほうがより範囲が広く、電子帳簿保存法の領域を含んでいると解釈するとわかりやすいでしょう。

電子帳簿保存法とe-文書法の対象となる書類

電子帳簿保存法の対象となるのは、会計にかかる帳簿や書類など、いわゆる「国税関係帳簿書類」と呼ばれるもの。また一方でe-文書法の対象となるのは税金関係書類のほか会社関係書類、建築図面や診察記録などです。具体的には、それぞれ以下のような書類が対象となります。

電子帳簿保存法の対象となる書類

帳簿:総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金・買掛金元帳、固定資産台帳、売上・仕入帳など

決算関係書類:棚卸表、貸借対照表、損益計算書など

証憑類:契約書、領収書、見積書、請求書、注文書、納品書、検収書など

e-文書法の対象となる書類

会社関連書類:定款、株主総会議事録、取締役会議事録など

企業決算に関する書類:貸借対照表・損益計算書など

その他法令で保存が義務付けられている書類:建築図面、診察記録など

保存要件の違い

電子帳簿保存法とe-文書法とでは対象とする文書が異なるため、電子保存する際に満たすべき要件も異なります。法律ごとに、保存要件を見てみましょう。

電子帳簿保存法における保存要件

・真実性の確保

電子保存されている文書が改ざん・隠蔽されておらず、正当なものであることを証明できること。具体的には書類作成後、決められた期間内にタイムスタンプを付与するか、修正や削除などの編集が行われた場合にその履歴が残るようなシステムに保存されている必要があります。

・可視性の確保

電子保存した文書を、必要に応じていつでも確認できること。具体的には電子データを保存するパソコンのほか、表示用のディスプレイや出力用のプリンタ、各装置の操作マニュアルを用意し、いつでも表示・出力できる環境を整えておく必要があります。さらに、必要な書類をスムーズに引き出せるよう取引年月日や勘定科目、取引金額の3つの条件で検索できるシステムで保存することも要件としてあげられています。

e-文書法における保存要件

・見読性

保存されているデータを必要な時にパソコンの画面やプリンタ出力で確認できる状態であること。ただ保存されているだけでなく、明瞭に確認できるよう解像度や階調が適切であることが求められます。

・完全性

保存した文書が、改ざんや隠蔽されることのないよう対策されていること。具体的には電子署名やタイムスタンプなどで、そのデータが編集されていないこと(または履歴が残ること)を証明する必要があります。

・機密性

保存した文書に不正にアクセスされないよう、セキュリティ対策が取られていること。適切なアクセス権限の設定のほか、誰がいつアクセスしたかログを残しておく必要があります。

・検索性

必要に応じてデータをすぐに引き出せるよう、検索機能を備えたシステムで保存されていること。企業が扱う書類は膨大な量にのぼるため、必要なデータがすぐに見つけられる状態である必要があります。

文書保存の電子化による業務上のメリット

法定保存文書を電子保存するためには、上記のようにいくつもの要件を満たす必要があります。そしてそのためには、パソコンやプリンタなど機器の導入のほか、業務フローの見直しや社員への周知など、手間やコストが発生します。

しかし、実際に運用を始めてみると手間やコストを大きく超えるメリットが得られることも覚えておく必要があります。具体的に、メリットには以下のようなものがあります。

保管コストの削減

電子保存を導入するメリットとして、まずあげられるのは文書を保管するためのコストをおさえられるという点です。法定保存文書のなかには5年や7年といった長期で保存しなければいけないものも多く、企業規模が大きくなるほどその量は膨大になります。保管のためにはファイルやキャビネットのほか、オフィススペースやそれを管理するための人件費が必要です。

これに対し、電子保存は保存するためのパソコンやプリンタ、専用のソフトウェアなどを用意すれば運用を開始することができます。こうした保管費用の削減につながるのが電子保存の大きなメリットといえるでしょう。

業務効率の向上

経理担当者の業務効率向上につながるのも、電子保存の大きなメリットのひとつです。例えば数年前に作成した書類が急に必要になった場合でも、キャビネットの中から当時のファイルを探すといった作業をすることなく、パソコンで簡単に検索、出力することができます。

電子帳簿保存法でもe-文書法でも、文書の検索性を確保することは保存要件のひとつです。業務の手間を省き、効率化を図ることができるのも電子保存の大きなメリットです。

業務環境の改善につながる

働き方改革や新型コロナウイルスの影響もあり、近年は在宅勤務やリモートワークなどオフィス以外の場所で働くことも一般的になりました。こうした新しい働き方への対応策として、電子保存を導入する企業も増えています。

文書の電子保存を導入していれば、業務の多くはオンラインで完結できるため、書類のファイリングや必要書類を集めるためにわざわざ出社する必要はなくなります。アクセス権限の設定などセキュリティ対策は必要になりますが、従業員の働き方の幅を広げ、業務環境を改善することにもつながります。

電子保存を導入するメリット・デメリットについては以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

【関連記事】「改正電子帳簿保存法は2022年1月施行!企業にとってのメリット・デメリットは?」

文書の電子化は企業の成長に欠かせない

文書を電子保存することで、業務の効率化や保管コストの削減など、企業にとってさまざまなメリットを生み出してくれます。電子帳簿保存法やe-文書法など、対応する法律の違いをしっかりと理解し、文書のデータ化を推進することが企業の成長や業務改善にもつながります。

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