社員がコーポレートカードを私的利用!?社内トラブル対処の心得

社員がコーポレートカードを私的利用!?社内トラブル対処の心得

支払いを一元化し、経費精算の手間も省いてくれる便利なコーポレートカード。一方で、従業員に貸与したカードに不審な利用履歴があり、確認したらこっそり私的利用をしていた……といったトラブルも考えられます。このような私的利用を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

コーポレートカードには2種類ある

コーポレートカード(法人カード)とはクレジットカードの一種で、カード会社が法人に対して発行するカードのことを言います。発行審査が法人を対象に行われ、支払いも法人口座を設定する「会社一括決済型」のカードが一般的ですが、なかには従業員個人と信用取引を行う「個人決済型」のカードもあります。

会社一括決済型コーポレートカード

会社一括決済型のコーポレートカードでは、発行審査の対象は法人で、支払いにも法人口座を設定します。つまり「会社」と信用取引を行なうので、カードの用途は基本的に会社や事業に関連するものに限られます。もし、例外があるとしても会社の許可を得られる用途でなければならないと考えていいでしょう。それ以外の用途にカードを使えば「私的利用」になるわけです。

コーポレートカードでは、いわゆる「家族カード」のように、社員それぞれに渡すための「社員カード」を発行することができます。本来これは、社員がそれぞれ業務上必要なときに社員カードを使って、備品の購入や出張旅費を支払うケースを想定しています。社員カードの利用履歴データは、毎月会社に報告されるため、会社側では社員が利用した経費を一括で把握・管理することが可能になります。社員の側も、ひとまず自分の所持金やカードで支払う立て替え払いを経由しなくて済むため、個人の一時的な金銭的負担を要せず、公私のお金の区別がつきやすくなると期待されます。

しかし、「社員カード」を持たせるということは、何らかのカード利用制限をかけない限り、コーポレートカードの利用がそれぞれの社員に委ねられるということでもあります。「自らの好みにまかせて、必要とされるよりも高価な備品を買い込んでしまう」といった、私的利用に当たるかどうか微妙な使い方をされることも考えられますし、もっと悪質になると「経理担当者の目を盗んで、業務に必要ないプライベートな買い物をする」といった明らかな私的利用のおそれも出てきます。

個人決済型コーポレートカード

個人決済型のコーポレートカードでは、発行審査の対象は従業員個人で、支払いも従業員の個人口座を設定します。つまり「個人」と信用取引を行うので、カードの用途は基本的に従業員の自由です。経費精算に使った場合も立て替え払いと同じ扱いになりますので、会社の経費に見せかけた「私的利用」は、基本的に発生しないと考えていいでしょう。

一見しただけでは、個人カードとの違いが見えにくい個人決済型のコーポレートカードですが、実は発行審査と支払いの対象が従業員個人になるというだけで、カード会社は法人と契約を交わし、年会費は法人が支払います。ポイントは、会社の負担によって従業員が年会費無料でカードを利用できたり、付帯するサービスを受けられたりすること。つまり、業務のためにカードを使うよりも、従業員への福利厚生といったことが目的になっているというわけです。

私的利用トラブルの対処方法

コーポレートカードのなかでも「会社一括決済型」のカードは、いわば「会社のお金を従業員個人の判断で使ってしまえる」状況ですので、会社側が望まない使い方をされてしまうことも考えられます。

例えば、プライベートで飲食した代金を接待交際費に見せかけてコーポレートカードで支払う、備品と私物を同時に購入し、コーポレートカードで全額支払って明細をごまかすなどといった私的利用に対して「これくらいなら……」と安易に考えてしまう従業員もいるかもしれません。こういったことが起きないようにするには、どうすればよいのでしょうか。

社内ルールを決めておく・管理体制やデメリットを周知する

まずは、私的利用を自発的にやめさせるための対策を見ていきましょう。主な対策として、まずは「社内ルールを決めておく」ことです。例えば、下記のようなルールが考えられます。

  • 領収書・明細書の提出を義務付ける
  • 利用に際しての事前申告を義務付ける
  • コーポレートカードを貸与できる役職・部署を限定する
  • コーポレートカードの用途やその範囲を明示する
  • 経費と認められない例を挙げておく
  • 不正利用があった場合の罰則を定めておく

コーポレートカードを使った際の領収書や明細書があれば、利用内容が適切であったか、会社がチェックできます。もっと厳格なルールが必要なケースであれば、コーポレートカードを利用する前に申告を義務付け、利用内容が適切かチェックするという方法もありますし、そもそもコーポレートカードを持てる人員を、信頼のおける役職者に限定しておくといった方法もあります。

コーポレートカードの用途が比較的限定されている会社であれば、想定される用途や、どこまで経費に含むかといった範囲を示しておくのも有効です。同様に、判断が微妙な事例や、想定される私的利用の事例を「経費と認められない」と明示しておいてもいいでしょう。

従業員が「これくらいなら……」と考えてしまったときの抑止力になるよう、「私的利用は必ず見つかるもので、見つかれば厳しいデメリットがあると周知しておく」のも重要な対策です。日ごろから、経理担当者が利用明細を細かく監視していると知らせておきましょう。

もちろん罰則を定めておくことも抑止力になりますが、悪質なケースに対しては「私的利用は業務上横領罪であり、会社が被害申告すれば、刑事事件として逮捕され得る」ことを認識させることも必要です。

コーポレートカード(社員カード)の限度額を下げておく

従業員によっては、「公私の区別が甘すぎるため、明らかに経費ではないものまで経費と見なしてしまう」、「社内の実権を握っていて、罰せられることはないと高をくくっている」など、自発的に私的利用をやめさせるのが難しいケースもあるでしょう。

強制的にやめさせる手段としては、まずコーポレートカードそのものを会社が管理するといったことが挙げられます。それも難しい場合は、コーポレートカードの利用限度額を引き下げ、業務上必要な範囲でしか使えないようにしてしまうといった対策をとることも考えなければなりません。

最後に、そもそも「なぜ従業員がコーポレートカードを私的利用してしまうのか」にも考えを巡らせてみましょう。もしかしたら従業員は会社に不満があり「自分は不遇に遭っているから、これくらいなら(私的利用によって)恩恵を受けてもいいだろう」と考えているかもしれません。

ルールや管理体制も重要ですが、締め付ける一方では社内の信頼関係も揺らいでしまいます。ときには、上司や経営陣自らが従業員の話に誠実に耳を傾け、不満があれば改善を目指す姿勢も見せたいところです。

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