電子帳簿保存法の規制緩和のメリットであるコストカットと省スペース化について解説

毎年のように行われる規制緩和によって、電子帳簿保存法の使い勝手がよくなり、帳簿や税務書類の電子化が容易になりました。場所を取り、労力的にもコストの大きい紙の書類を管理するのは、企業にとっても大きな負担です。
今回は、電子帳簿保存法にどのような規制緩和が行われたのか、規制緩和によって企業にはどのようなメリットがあるのかを解説します。

「電子帳簿保存法」は面倒な書類の管理を楽にする

紙の帳簿は紛失のリスクがあり、感熱紙タイプのレシートは発効されてから数年で印字が消えてしまうという問題も抱えています。

そこで、税務関連の書類をスキャナーで取り込み、電子データとして保管して良いという「電子帳簿保存法」が作られました[注1]。 

成立当初の電子帳簿保存法は、もともとパソコン等で打ち出した請求書や契約書等をデータとして保管しておいても良いという法律でしたが、手元の書類をスキャンして取り込むことができないため、実用的とはいえなかったのが最大の弱点です。結果、施行されてもほとんど普及しませんでした。

[注1]国税庁より:電子帳簿保存法の概要

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm

電子帳簿保存法の規制緩和で「書類のスキャン」が可能に

使い勝手の悪さから、中々普及しなかった電子帳簿保存法。しかし、2005年の法改正、そして2015年前後からの規制緩和で急激に使いやすい法律になっていきます。

書類のスキャン可能によりデータ保存が容易になる

2005年に電子帳簿保存法が改正され、それまで禁止されていた紙の書類をスキャンして電子保存することも可能になりました。

この改正のおかげで、決算書類を除く納税関係の資料や契約書も電子データとして保存し、紙の書類を処分できるようになったのです。

税務関連の書類は種類も量も多いため、紙の書類を電子化できれば大幅な省スペース化を実現できます。

帳簿に記載されている金額に関係なく書類を電子化

2015年までの電子帳簿保存法では、「電子データとして保存できるのは、金額が3万円未満の書類のみ」という制限がありました。つまり、3万円を越える経費の領収書や請求書等に関しては、スキャンできなかったのです。

しかし、2016年の規制緩和によって金額の制限は撤廃。額面がいくらの領収書や契約書であっても、電子データとして保存できるようになりました。

この緩和によって、より日常的な売り上げや仕入れのやり取りで使う書類も、電子データ化できるようになったわけです。

スキャナー以外の機器でスキャンすれば省スペース化が進む

2017年には、基準をクリアしたスキャナーのみが使える状態から、スマートフォンやデジタルカメラ等でもスキャン可能になっています。

各社員が出張先で使った経費をスマートフォンで電子データ化して本社と共有し、経理部でチェック・処理して保管しておくことができるようになったのは、電子帳簿保存法を利用する上で大きな進歩といって良いでしょう。

また、幅を大きく取っていたスキャナーが必要なくなったおかげで、オフィス内のスペースも広がり、場所や気持ちの面でもゆとりを持って業務が行なえます。

2019年の規制緩和で「電子帳簿保存法」の利用申請がさらに簡単に

電子帳簿保存法を利用して書類を電子データで保存するためには、事前に申請手続きによる承認が必要です。

2019年度の税制改正大綱では、個人事業主が開業直後でも申請を利用できたり、特定のソフトを使う場合これまでより簡単に承認申請できたりするというルールの変更点が盛り込まれています。

e文書法の制定で電子帳簿保存法の規制緩和が大幅に進んだ

先程ご紹介したとおり、電子帳簿保存法の規制緩和で書類を電子保管できるようになりました。この法改正に関わっているのが、2005年に成立した「e文書法」という法律です。

実は、電子帳簿保存法はもともと国税庁が担当する法律なので、ほかの省庁が管理する書類については電子データとして保存できると勝手に指示できませんでした。

そこで各省庁は「この書類は電子データとして扱っても良い」という書類の種類について定めた「e文書法」を制定。それにより、e文書法の要件を満たすものは、税務関連の書類以外でもスキャンできるという法改正が実現したのです。

電子帳簿保存法を利用する場合はタイムスタンプの付与を忘れずに

スキャナーを使ってスキャンした書類には、書類をスキャンした日時が分かる「タイムスタンプ」が必須です。

タイムスタンプのない書類は、スキャンして厳重に保管していても、正しい電子データとして扱ってもらえません。電子帳簿保存法の利用時には必ずタイムスタンプを付けておきましょう。

規制緩和で使いやすくなった電子帳簿保存法を活用しよう

規制緩和によって、電子帳簿保存法の使い勝手は向上しています。

うまく使いこなせば、経費精算の手続きや書類の管理・税務調査や会計監査時の準備などを大幅に短縮できるため、規制緩和のポイントを押さえて業務の効率化を図りましょう。

社内業務の効率化をはかるには、管理ソフト・アプリの導入が非常におすすめです。「経費精算システム」や「ワークフローシステム」を用いれば作業量の大幅削減が期待できます。特にスマートフォン対応のものは、外出先での作業も可能になるので、人気も高まっています。コストカットや省スペースを検討しているのであれば、システム導入で解決してみましょう。