「勘定科目」って?5つの分類とその目的

「勘定科目」という言葉は、ビジネスマンなら経理部以外の社員でも耳にしたことがあるでしょう。しかし、その内容については、よくわからない、自分とは関係がない、と考えている人が多いのではないでしょうか。
「勘定科目」は、日々の企業活動の会計結果であり、会社の経営体質やその展望を表す指標でもあり、自社の先行きや、取引先を知るうえでの手がかりになるものです。

勘定科目の存在意義、その目的とは

始めに勘定科目と関連する基本事項について整理しましょう。

損益計算は、ある時点での会社の成績

売上高から、それを得るために費やされた人件費、工場などの設備費、商品の原価などの費用を差し引いて、残ったものが利益です。この時点で売上高を費用が超過すれば、利益はマイナスとなって赤字ということになります。これはその会社がビジネスを正しく成立させていないことになり、何らかの手段を講じて利益を確保しなければなりません。反対に、売り上げの拡大が順調で、経費の増加もそれに見合った範囲ならば、大きな利益が得られる可能性があります。

売り上げは日々計上され、費用となる各種の経費も毎日発生しています。それでも締め日や支払い日などのタイミングによって、利益額確定の間隔は短くても月1回です。新製品の販売に成功したり、思わぬライバルが登場したりすることで、売上高と利益はすぐに変動するかもしれません。損益計算は常に「結果」です。売り上げや利益が順調に伸びていれば先行きも同じ推移となるだろうと予想できますが、確実ではなく、その根拠となるものは過去の業績の実績しかないことになります。

会社は存続するのが前提、危険は早めに予知し、経営に反映させる

このように、売上高や経費が確定してから赤字であることが判明しているようでは、会社運営としては遅いのです。会社は社員の生活を支え、社会にサービスを提供するものであり、安定して存続する存在でなければならないでしょう。危険を予見し、常に経営に反映させていくためには、勘定科目が役立ちます。

勘定科目の分類と実際の経費

では、勘定科目とは何なのでしょうか。また、その役割はどのようなものでしょうか。具体的に見ていきましょう。

資産とは

資産に該当するのは、会社にある現金や有価証券であるというのはわかりやすい例でしょう。さらに、将来に現金化される可能性のある売掛金や受取手形なども資産に当たります。そして、会社のお金を払って買ったものももちろん資産です。
オフィスビルが自社ビルならばそっくり資産であり、商用車や大型のコンピュータ、生産ラインの機械も資産になります。販売前の商品は当然にしても、それを作るための部品や、製造途中の仕掛品も資産。さらに、協力先の企業や社員への貸付金も、将来返済されるためその債権が資産になります。
わかりやすい考え方としては、その時点で換金したり回収したりすることで現金化できる可能性があるものは資産ということです。

資産は大きいに越したことはないですが、オフィスの自社ビルや工場の機械は事実上、売る事ができないものばかりです。資産のなかで、さらに「1年以内に回収できる見込みが高いもの」を流動資産として分ける見方があります。流動とは換金性を意味し、資産項目は「現金預金」「営業債権」「有価証券」が該当します。現金預金はそのまま直接投資に廻せます。資産は大きさだけでなく、その内容も見ておかなくてはなりません。

負債とは

先行き返済する必要のあるものが負債です。事業運営のための借入金、商品の仕入れや外注費で未払いの買掛金や支払い手形などが該当します。注意するべきは借入金。資産の考え方と同じで、1年を基準にそれ以内に返済しなければならない借入金を「短期借入金」、それより支払い期間が長いものを「長期借入金」として分けます。同様に、1年以内に返済する必要がある負債が「流動負債」、1年を超えて返済するものは「固定負債」という分け方ができます。
1年以内の短期借入金は中小企業なら運転資金や社員のボーナス支給などで、借り入れた金額は流動負債ということになります。

長期の借入金や負債は、設備投資のように長い期間に渡って投資を回収していくものなどが該当します。しかし、短期が多いと資金難で、長期が多いと先行きの投資に旺盛なのかというと、そう単純な見方はできません。会社の実情と照らし合わせて判断する必要があります。先行投資が重なり、それが思うように売り上げや利益に結びついていなければ、金利を長く払うことで負担になります。
一方、大きな借金を短期で返せる実力のある会社なら、重要な資金としての借り入れを、1年以内に返済してしまっているかもしれません。

純資産とは

「資産」が、会社を売却した場合にいくらの現金に替えられるかを示しているとすると、「負債」はそのなかから返済しなければならないお金のことを指します。
その差し引きで残ったものが「純資産」です。会社設立時の「資本金」と「資本準備金(資本に組み入られる前の株主から払い込まれた金額等)」や「利益準備金(株式配当のための積み立てられた金額等)」などがそれに該当します。「正味財産」などというわかりやすい呼び名もあります。

収益とは

会社の売り上げや銀行に預けた預金の利子利益、保有有価証券の評価益や売却益、その他の雑収入等までが含まれます。
多くは売上高が該当し、商品やサービスを提供した対価の積み上げです。「利益」と混同されやすいですが、利益は売上高から次に説明する費用を差し引いたものなので、利益は収益の一部であるという見方になります。

費用とは

売り上げと収益を得るためにかかった経費(仕入れ代金、社員への給与等、外注費、オフィスの家賃等)のすべてのほか、減価償却費等も含まれます。最初に説明した「損益計算」は、勘定科目のうちの「収益」と「費用」が関係してくることがわかります。
そして、「資産、負債、純資産」が「貸借対照表」(バランスシート)に関係する項目です。損益計算がある時点での企業の成績であるとすると、「貸借対照表」は、資産の額や短期や長期の借入金の比率、資産がどの程度蓄積されているかなどを表す数値をまとめたもの。資産に比べて負債が大きすぎないか、すぐに返済しなければならない短期借入金の比率が高すぎることはないかなど、会社運営の健全性を見るのに適しています。
何期かごとに比較してみれば、健全性を強めているのか、あるいはその逆なのか企業の状態が見えてくるでしょう。

ビジネスが順調で売り上げや利益が伸びていても、借入金の比率が負債のなかに多ければ、ちょっとした不調ですぐに経営が悪化してしまう脆弱さが潜んでいるかもしれません。そういったことが貸借対照表によってわかります。

経費の把握が重要

売り上げを伸ばせば利益は増える方向に向かいますが、経費がそれを超えて増えれば会社は簡単に赤字になってしまいます。
経費を表す勘定科目の費用の内容を観察することで、その予防手段が見えてきます。資産という名目でも、事実上、流動性の低いものばかりでは、資金の借り入れと返済を繰り返す自転車操業に陥ってしまうでしょう。そのような見方で会社や事業を見ることができるのが「勘定科目」なのです。

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